Kyoto Radiology Protocol – Green 7
Radiology から始める持続可能な医療
放射線診療の現場で、無理なく取り組める環境配慮のための7つの工夫をまとめました。各施設の状況に応じて、柔軟にご活用ください。
京都から始まるこの取り組みが、持続可能な医療への第一歩となることを願っています。1. 必要な検査を適切に
画像検査の妥当性を常に意識し、不要な撮影や重複検査を可能な限り減らすことで、患者さんと環境への負荷を軽減しましょう。
2. 検査内容を最適に
可能な限り短時間の検査で的確な診断ができるよう、検査内容を定期的に見直しましょう。人工知能(Artificial Intelligence; AI)を活用した画像処理技術の導入も有効です。スライス枚数や再構成条件を適切に調整し、データ量の最適化を図ることで、装置の稼働時間や電力消費を抑えることができます。
3. 装置にも休息を
夜間や休日など使用していない時間帯には、省電力モードの活用や電源オフを検討しましょう。CT・MRIなどの大型医療機器に加え、診断用モニター、操作端末、部屋の照明、空調なども対象とし、オートスリープ機能などを活用して電力消費を抑える工夫が可能です。S
4. 資源を賢く使う
造影剤、放射性医薬品、消耗品などは必要な量だけを使用し、無駄を減らしましょう。たとえば、プレフィルドシリンジから大容量製剤への切り替えなど、資材の選定や管理方法も見直す余地があります。
5. 廃棄物を正しく分ける
廃棄物は適切に分類・処理し、可能な範囲でリサイクルを推進しましょう。特に感染性廃棄物は環境への負荷が大きいため、分類精度を高め、発生量を最小限に抑えることが大切です。
6. 学びを続けて行動に
放射線科に携わるすべての職種が、サステナビリティに関する教育を受け、日常業務の中で小さな気づきや工夫を積み重ねることで、実践へつなげていきましょう。
7. 取り組みを全体へ広げる
放射線科の取り組みを、他の診療科や病院全体にも共有していきましょう。部署を超えた対話や情報交換を通じて、医療機関全体で環境への意識を高めていくことが重要です。