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画像診断(IVR) Interventional Radiology

部門紹介

IVR部門放射線診断学の進歩に伴い開発された低侵襲性治療 の代表ともいえるIVRは、今日では放射線医学の大きな一分野となっています。
IVRという言葉は1967年、Margulisにより初めて用いられ、カテーテルなどの各種デバイスの開発、DSAをはじめとするX線透視撮影法の進歩、安全な造影剤の開発により、種々の疾患に対する有用な治療手技として目覚しい発展をとげています。
現在ではIVRの臨床現場での役割は非常に大きく、広く普及するにいたっています。当科においても積極的にIVRを行っており、1年間に約800-900件程度行っています。

IVRは大きく分けて、血管腔を介して病変部へ到達し治療する血管性IVRと、血管を介さずに経皮的に直接病変部に到達する非血管性のIVRとに分けられます。


血管系IVR (Vascular IVR)

外頚動脈の3D画像特に積極的に行っている治療として外科的切除が不可能な肝悪性腫瘍に対し、肝動脈内にカテーテルを留置し、皮下に埋め込んだボタン型のリザーバーと呼ばれる器具と接続し、外来で抗がん剤を定期的に注入する肝動注化学療法があげられます。 また、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術や、耳鼻科領域などの悪性腫瘍に対する抗がん剤の動注療法も積極的に行っております。その際に、当院では回転撮影画像を元に、最新3Dアプリケーションにて再構成することで、治療中でも関心領域の任意の断面像を観察できるCT like imaging機能が備わった血管撮影装置を用いて、より正確で高度な治療を目指しております。 他にも非腫瘍性病変に対する血管性IVRとして、下肢の閉塞性動脈硬化症や透析シャント不全に対する血管内治療、深部静脈血栓に対する血栓溶解術や血栓吸引術、IVC Filter留置術、門脈圧亢進症とそれに伴う胃静脈瘤に対する胃静脈瘤塞栓術(B-RTO)、経静脈的肝内門脈静脈短絡術(TIPS)等を多数行っています。


非血管系IVR (Non-Vascular IVR)

CT透視下肺生検当科ではCT透視と呼ばれる特 殊な機能を持ったCT装置を用いて経皮的な針生検を各臓器に対し積極的に行っており良好な成績をおさめています。
CT 画像をリアルタイムに見ながら生検針を目的病変に進めることが可能であり、安全かつ短時間に、しかも極めて高い正診率 (肺生検の正診率が94.2%) を誇っています。
この技術を応用して、固形悪性腫瘍に対するエタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法(RFA)や膿瘍に対するドレナージ術もCT透視下に数 多く施行しています。また近年保険診療として認可された腎癌に対する凍結治療もCT透視機能を用いて積極的に行っています(泌尿器科と共同)


カンファレンス

IVRは従来、外科医のみが治療し得た疾患に対してメスを用いずに経皮的、低侵襲的手技により治療し得る画期的な治療法で、その出現とともに現在では治療法の選択肢が非常に多岐にわたっています。 当科では患者の病態や病期などに見合った最も適切なIVR治療法の選択を行うため毎朝のモーニングのカンファレンスを行っています。また、安全確実な医療を行うため、他科のDrとも週2回のカンファレンスを行い協力しながら治療にあたっています。 あらゆるIVR手技の習熟と器具や機材に対する十分な知識を習得すべく日々努力しています。



研究案内

IVR研究「患者様にメリットのある治療を、より少ない合併症で、より低侵襲に、おこなう」という interventional radiologyのコンセプトに従って日常診療を行ってきたものをまとめた 以下の臨床研究を行っております。。


  • ■ 肝および肝腫瘍の血流動態に関する研究
  • ■ 経皮的肺生検における気胸増悪予防に関する研究
  • ■ 肝動注リザーバーの経皮的留置法に関する研究
  • ■ 術後膿瘍に対する経皮的ドレナージ法に関する研究
  • ■ 静脈血栓塞栓症の診断および治療に関する研究
  • ■ 種々の悪性腫瘍に対するラジオ波凝固療法に関する研究
  • ■ リピオドールマーキングを利用した肺切除 詳細を見る »